人間、問題なのは中味とは言いますが、礼儀正しい着こなしのできる学生はやはり就活では有利です。
企業の採用担当者に好感を持たれるリクルートスーツとは、シンプルでしかも清潔のあるデザインのものです。
リクルートスーツは高価なものである必要はありませんし、名の知れたブランド品である必要もありません。
むしろ、他の学生と似通った協調性のあるリクルートスーツの方が高く評価されます。
ここでは就活を成功に導くリクルートスーツとはどんなものなのか、どう着こなしたらいいのかについて見ていきましょう。
就活で最もおすすめのリクルートスーツとは?【メンズ編】
就活では会社説明会や面接など、リクルートスーツを着ていかなければならないシーンがたくさんありますが、最もおすすめなのは黒か濃紺のスーツです。
グレーもダークグレーやチャコールグレーなど、濃い色のリクルートスーツなら大企業の面接にも OKですが、明るめのグレーだとフォーマルさに欠けるので避けた方が無難です。
目指す企業が広告代理店やアパレルなどのように個性をアピールすることが期待されている業界では地味なストライプ柄のリクルートスーツを着て行ってもかまいませんが、公務員や金融業界などの堅実な業界では柄なしの無地が鉄則です。
おすすめリクルートスーツの価格とは?
就活が解禁になるのは卒業する年の前年の3月ですが、その前からインターンシップなどに参加して経験を積む予定であれば、早いうちからリクルートスーツを用意しておいた方がいいでしょう。
リクルートスーツは1万円前後のものから10万円以上するものまでありますが、購入する場所によっても価格帯が違ってきます。
安くてしかもコスパのいい量産品のリクルートスーツを入手できるのはスーツ専門店ですし、デパートの紳士服コーナーに行くと価格帯が高めのものしか置いていませんので、限られた予算でスーツから靴、カバンまで揃えなければならない場合にはスーツ専門店がおすすめです。
スーツ専門店では同じ素材、同じデザインのリクルートスーツを大量に量産していますから、値段が安くても縫製のしっかりした、丈夫なリクルートスーツを入手することができます。
就活生が好んで購入するリクルートスーツの価格帯は1万5,000円から3万円程度です。
スーツは洗濯替えも必要なので2着は揃えたいものですし、スーツ以外にワイシャツや靴なども買わなければならないので、できるだけリーズナブルな価格帯のものを選んでおくと無理がありません。
スーツのフロントボタンは2つが一般的
スーツにはフロントボタンが2つのものや3つのデザインがありますが、ビジネスの場で最も一般的なのは2つボタンですから、就活でも2つボタンのリクルートスーツを選ぶようにします。
2つボタンのスーツでは、上のボタンだけを留めて下のボタンは外しておくのが着こなしのマナーです。
3つボタンのリクルートスーツは着てはいけないということではないのですが、2つボタンよりも幼稚な印象を与えてしまいがちです。
リクルートスーツは就活生の制服ですから、できるだけ他の学生と同じ2つボタンを選んだ方がいいでしょう。
就活で最もおすすめのリクルートスーツとは?【レディース編】
レディースに関しても、リクルートスーツの色は黒または濃紺が定番になっていますが、メンズと違い、やや明るめのグレーのスーツも許容されています。
レディースのリクルートスーツはメンズと比較するとルールが緩めですが、一流企業の最終面接を突破しようと考えているのであれば、メンズ並みにルールを守った服装を選ぶように心がけたいものです。
レディースのリクルートスーツではいくつのボタンがおすすめ?
メディスのリクルートスーツには、フロントボタンが2つのもの以外に1つボタン、3つボタンなども見かけられます。
レディースでは「2つボタンでなければならない」という決まりはないので、体型に合わせてボタンの数を選びましょう。
1つボタンはウエスト部分のくびれが強調されるので女性らしいイメージを出すことができますが、何度も試着してみて自分に合ったサイズを選ぶことが重要です。
2つボタンはメンズの定番リクルートスーツにあたりますが、きちっとして知的なイメージを演出してくれます。
レディースの場合はメンズと違い、2つボタンの上着でも下のボタンは外さず、上下とも留めておくのがしきたりです。
3つボタンのリクルートスーツはほっそりとした体型の女性によく似合いますが、襟元のV ラインの面積が2つボタンよりも小さくなるので、スーツの黒や濃紺の面積が大きくなり、やや暗めの印象になることがあります。
顔の形や体型によって似合うデザインのスーツはまちまちですから、店員さんのアドバイスなどもよく取り入れながら、試作を繰り返して納得のいくリクルートスーツ選びをしたいものです。
足さばきのしやすいスカートとは
レディースの場合、リクルートスーツではスカートスーツかパンツスーツのいずれかを選ぶことができますが、パンツスーツはやや自己主張が強い印象を与えるので、無難にまとめたいのであればスカートスーツがおすすめです。
スカートスーツではタイトスカートが就活の定番ですが、タイトスカートは裾幅が狭く、日頃ジーンズばかり履いている女性だと足さばきが難しくて歩きにくいという難点があります。
しかも、細身のタイトスカートは椅子に腰掛けた時に裾がかなり上に上がってしまうだけではなく、スリットが両脇に入っていると太ももが見えてしまうなど、決して着心地のいい衣類ではありません。
タイトスカートをうまく着こなす自信がないという女子学生は、タイトよりも裾幅がやや広めのセミタイトスカート(Aライン・台形スカート)を選ぶといいでしょう。
リクルートスカートの中にはウエストから腰までがタイトで、腰から裾にかけてがフレアになっているマーメイドラインもありますが、フレアが多いと大げさになってしまって就活には向かないので、フレアが控えめになっているデザインのものを探すことをおすすめします。
スカートは立っている時と腰掛けている時とでは丈も違ってきますし、立っている時はちょうどよくても座るとウエストや腰回りがきつく感じられるデザインのものもあるので、試着の際には必ず椅子に腰掛けてみてサイズを確認することが重要です。
リクルートスーツに合う小物アイテムとは
リクルートスーツを選んだら、それに合わせるワイシャツやネクタイ、リクルートシューズなども揃えなければなりませんが、一つひとつのアイテムに凝っているとトータルでの値段が高くなってしまうので、ほどほどの価格帯の範囲内で選ぶように工夫したいものです。
リクルートシューズは黒の革靴がおすすめ
メンズリクルートシューズは黒の革靴で、紐付きの「ストレートチップ」か「プレーントゥ」がスタンダードです。
ストレートチップというのは甲の部分に縫い目のラインが一本入っているデザイン、プレーントゥは縫い目が入っていないデザインの紳士靴のことです。
ストレートチップかプレーントゥを一足持っていると就活だけではなくて冠婚葬祭でも履けますので、かなり重宝します。
レディースの場合は黒のプレーンなパンプスを最低でも一足は用意します。
パンプスは爪先の形状によって「ラウンドトゥ」「アーモンドトゥ」「スクエアトゥ」「オープントゥ」「ピープトゥ」「ポインテッドトゥ」などに分類されますが、このうち就活に使えるのはスクエアトゥとラウンドトゥの2タイプのみです。
ヒール高は3〜5cmが適当で、ヒールのないぺったんこのパンプスはフォーマルとはみなされませんので注意しましょう。
就活で午前中から夕方まで歩き回った日は、家に戻ってきたら馬毛ブラシを使って靴全体のホコリを落とします。
特にメンズのストレートチップは縫い目にホコリが溜まりやすいので、丁寧にブラッシングを行います。
次に、クロスを使ってクリーナーで汚れを落とし、靴と同色のシューズクリームを塗り込みます。
クリームを塗り込んだら、今度は豚毛ブラシを使ってクリームを均一に伸ばし、最後に乾いた柔らかい布で磨いてツヤを出します。
革靴はお手入れさえ怠らなければ美しいツヤを維持することができますが、雨には弱いので、雨の日は本革製の靴ではなくて合成皮革のリクルートシューズを履いて行くのも一つの案です。
万が一、本革靴で出かけて強雨に遭った時は帰ったらすぐに靴の中に古新聞紙を丸めたものを詰めて、水分を吸収させるようにしましょう。
放置しておくと雨水がシミになってしまうことがあります。
リクルートスーツの中に着るインナーは白が一番
メンズ・レディースとも、リクルートスーツの中に着るワイシャツやブラウスは白の無地であればどんな大企業の面接に行っても恥ずかしくありません。
中に白のインナーを着ることによって清潔なイメージを全面に押し出すことができますので、必ず洗い立てのものを着用するようにしてください。
まとめ
就活期間は春先から冬まで続きますから、リクルートスーツを選ぶ時もそのことを念頭に置いておくことが大切です。
一日に2箇所以上の企業を訪問したり、長時間座っていなければならない会社説明会に参加したりと就活中は大忙しですから、リクルートスーツは洗濯ができてメンテナンスが簡単なものを選ぶとかなり楽です。
スーツの中に合わせるインナーも、形態安定加工がされていればアイロン掛けも必要ありませんので、家での時間はすべて企業研究や業界の勉強に充てることができます。