就活解禁が近づいてくると、企業や業界のの研究、エントリーシート作成などで急に忙しくなってきますが、忘れてはいけないのがリクルートスーツ選びです。
就活で会社説明会に出席する時や、面接に赴く際には真面目でしかも清潔感のあるリクルートスーツを着用していくのが大原則です。
リクルートスーツを選ぶ際には色やデザイン、素材などに関していくつかのルールがありますので、ルールを外さないような無難なスーツを選ぶことが重要です。
メンズリクルートスーツの主流は黒か濃紺
よほど自由な社風か、広告業界やマスコミなどのように個性が重視される企業でない限り、リクルートスーツは主流の黒か濃紺を選ぶようにしなければなりません。
リクルートスーツというのは、協調性を何よりも大切にする企業という社会へのパスポートを得るための制服のようなものですから、一般的でそつのないデザインを選ぶと良いでしょう。
メンズリクルートスーツの色は黒か濃紺がおすすめ
リクルートスーツで最も多いのは引き締まったイメージのする黒か濃紺の無地ですが、チャコールグレーも許容範囲です。
明るいグレーやベージュ、からし色などは砕けたイメージになってしまいますので、製造業(メーカー)や金融業界、公務員などといった硬い職業に就くことを目指している学生には不向きです。
ただし、個性をアピールすることが要求されるアパレル業界や広告業界などでは思い切った冒険をしてみるのも悪くないかもしれません。
メンズのリクルートスーツは2つボタンが無難
メンズのリクルートスーツにはフロントボタンが1つのもの、2つボタン、3つボタンのシングルシーツの他にダブルがありますが、このうち就活に最も適しているのは2つボタンです。
1つボタンはタキシードに多用されていることからもわかるように、結婚式などの特別な場で着用するのが決まりとなっていますから、就活には不向きです。
現在、世界中で広く着用されているメンズスーツの起源は19世紀のイギリスで、モーニングスーツの裾を切り落としたものが最初でした。
誕生した当時は部屋着やレジャー用としての用途が主だったスーツですが、19世紀末からアメリカのビジネスマンが仕事の場で着用を始め、世界的に普及することになります。
最初は3つボタンにチョッキの付いたスリーピーススーツが一般的でしたが、第二次世界大戦の前後から2つボタンのスーツが登場し、現在に至っています。
2つボタンは見た目がすっきりしており、どんな体型の男性にも似合うのが特徴なため、スーツ専門店でも最も多く扱っているのがこのタイプのデザインです。
ちなみに2つボタンのスーツでは上のボタンだけを留め、下のボタンは外しておくのがマナーとなっています。
3つボタンのスーツもきちんとしたイメージが強く、リクルートスーツとして使っても特に問題はありませんが、がっちりした体格の男性には似合わず、ほっそりとしたタイプの方が着こなしやすい特徴があります。
レディースリクルートスーツを選ぶ際のポイント
レディースのリクルートスーツはメンズと比較するとルールがやや緩くなっており、選択肢も広がりますので、自分が体型や顔色にあったものを早めに揃えておくと良いでしょう。
スカートスーツかパンツスーツを決める
レディースの場合、スカートのリクルートスーツを選ぶかパンツのリクルートスーツを選ぶかで採用担当者に与えるイメージはかなり違ってきます。
どちらの方が就活に有利という決まりはありませんが、就職したい企業のトレンドなどをよく研究した上で最適なデザインのスーツを選ぶことが重要です。
スカートスーツは控えめで女性らしい印象を強調できるので、大企業の事務職に就きたい女子学生にはおすすめです。
一方のパンツスーツは活動的できびきびした印象を与えるので、ベンチャー企業などで活躍したい女子学生はこちらを選んだ方がいいかもしれません。
スカートの種類
リクルートスーツでスカートを選ぶ場合、定番は何と言ってもタイトスカートですが、タイトスカートは裾幅が狭いため、履き慣れていないと足さばきがうまくできず、歩きにくいことがあります。
ですから面接に着て行く時には直前にスーツを購入するのは避け、前もって用意しておいてタイトスカートでの歩き方に慣れておくことが大切です。
タイトスカートよりは少し裾幅の広い台形スカート、またはAラインのスカートもリクルートにはふさわしいので、1枚用意しておくのもいいアイディアです。
リクルートスーツの中にはフレアやマーメイドラインのスカートもあり、フェミニンな印象を与えますので、美容業界を目指している女子学生にはぴったりです。
とは言っても、フレアの量があまり多いと非常識な感じになりますので、あくまでも控えめなデザインのものを選ぶようにしたいものです。
スカート丈は膝が隠れる程度がベストですが、細身のタイトスカートの場合、椅子に腰掛けると裾線がかなり上に上がってしまうので、少し長めのものを選ぶ工夫も大切です。
リクルートスーツを試着する時は、お辞儀をした時や椅子に座った時のスカート丈もチェックしておくと万全です。
パンツの種類
パンツスーツは足元が暖かいので、冬場の就活ではかなり役に立ってくれますが、デザイン的には膝から下のラインがまっすぐのストレートパンツがリクルートではおすすめです。
脚のラインがすっきりと見えて嫌味がないので、面接官にも好印象を与えることができます。
パンツの中には膝から裾にかけての幅がやや広がっているブーツカットパンツもありますが、派手な印象を与えてしまいがちなので、ベンチャー企業やIT系の企業などで自分をはっきりとアピールしたい場合には向いています。
パンツを選ぶ時は、ウエストにジャストフィットするものだと椅子に腰掛けた時にキツく感じられることがあるので、手が入るぐらいのゆとりのあるウエストサイズを選ぶのがコツです。
レギュラーパンツにしろ、ブーツカットパンツにしろ、裾上げは必ずお店のスタッフに測ってもらいましょう。
後ろの裾がパンプスのヒールに1cmか2cmか掛かるのが理想的な丈なので、パンプスも持参して試着するといいかもしれません。
裾上げには数日から1週間ほど時間がかかることがありますから、面接日ギリギリになってから買いに行かないようにしたいものです。
リクルートスーツはメンテナンスが楽なものを選びたい
就活で一人の学生がエントリーする企業の数は平均で26.2社と言われていますが、会社説明会に出席したりOB・OG訪問したりする機会なども合わせると、ピークの時期にはほとんど毎日リクルートスーツを着て就活をしなければならないことになります。
ですから、リクルートスーツは汚れが目立たず、メンテナンスが楽なものを選ぶのが得策です。
なまじ上質のウール100%のリクルートスーツを選んでしまうと、クリーニング代がかかるのであまり経済的ではありません。
色やデザインはもちろんのことですが、素材にも気を配ってリクルートスーツ選びをすることが大切です。
自宅で洗濯できるウォッシャブルスーツが人気
ポリエステル100%あるいはポリエステルとウールの混紡素材のリクルートスーツの中には、自宅で洗濯できるウォッシャブルタイプがたくさんあります。
ウォッシャブル素材のリクルートスーツは洗濯機に丸ごと入れて洗えるだけではなく、ハンガーにかけてシャワーで汚れをさっとを洗い落とすこともできて非常に便利です。
ドライクリーニングでは落ちない水性の汚れも洗って落とすことができるので、いつでも清潔なリクルートスーツを身につけることができます。
ウォッシャブルスーツは価格的にも他のリクルートスーツと変わりありませんし、汗臭さが気になる夏場などにも大活躍してくれます。
リクルートスーツは最低でも2枚用意するとメンテナンスが楽
リクルートスーツは、最低でも2枚用意しておいて交互に着るようにするとメンテナンスがかなり楽になります。
就活を終えて家に戻ってきたらリクルートスーツをハンガーにかけて吊るしておくとシワが自然に伸びてきますので、アイロンをかける手間を省くことができます。
シワがひどい時はお風呂場に吊るしておくのもいいアイディアです。
リクルートスーツを購入すると上着とパンツを一緒に掛けられるハンガーが付いてきますが、重ねておくと湿気が取れないので、上下別々に掛けた方が両方ともきれいに保つことができます。
スーツパンツは、ウエスト部分が上ではなくて裾の方を上にして掛けておくとシワがよく伸びます。
ちょっとした工夫によってメンテナンスが楽になるばかりではなく、スーツの持ちもよくなりますので正しい掛け方はぜひ実践してみてください。
ブラッシングも大切なメンテナンス方の一つ
ウォッシャブルのリクルートスーツを選んだとしても、スーツを毎日洗濯しているわけにはいきませんから、着用の後は必ずブラッシングする習慣をつけるようにしましょう。
ホコリや汚れがついたままにしておくと劣化が進んでしまいますから、特にフケが付きやすい肩や襟元周辺は丹念にブラッシングしましょう。
まとめ
人間は外観よりも中身が大切だとはいえ、自分にぴったりと合ったリクルートスーツを着ているだけで安心した気分になれるのも確かです。
面接官はリクルートスーツの良し悪しではなくて、スーツの着こなし方や一般常識なるコーディネートに注目していますので、リクルートスーツ選びは決しておろそかにしてはいけません。
リーズナブルな値段の範囲で納得のいくまで試着を繰り返して、お気に入りのリクルートスーツを見つけましょう。