就活で着用するリクルートスーツというと黒が定番ですが、濃紺やグレーなどといった色も決してマイナスにはなりません。
面接では就活スーツの色よりも学生の態度や受け答えの仕方、一般常識の有る無しが問題にされるわけですから、無難な就活スーツを選ぶと同時に立ち居振る舞いや自己PRの方法を研究しておくことが大切です。
就活スーツ自体はマニュアルに沿って完璧に揃えても、学生本人のやる気や魅力が感じ取られるようでなければ人気企業の内定を獲得するのは難しいと考えなければなりません。
就活スーツでは何色が基本?
就活スーツといえば、黒か濃紺が定番の色と決まっています。
以前は就活スーツは濃紺かチャコールグレーが主流でしたが、現在では最もフォーマルな黒の就活スーツを選ぶ学生が多くなっています。
面接官は黒の就活スーツに固執しているわけではない
面接官の本音としては濃紺でも他の色でもダークな色調で無地のスーツであればどれでもかまわないのですが、「黒の就活スーツなら冠婚葬祭にも使える」という紳士服業界の言葉に煽られて黒服信仰が広まったというのが本当のところのようです。
確かに黒はどんな色のネクタイとも相性がよく、無難な着こなしをすることができますが、面接官の多くは必ずしも黒の就活スーツを重視しているわけではないということを覚えておきましょう。
むしろ、黒が似合う人は少ないので、紳士服専門店なので試着してみてどうしてもしっくりしない場合には濃紺などのスーツを試してみるのがおすすめです。
女子学生のスーツは何色がおすすめ?
女子学生の場合は男子学生とは少し違い、黒や濃紺・チャコールグレーの他に明るいグレーなどもおすすめです。
暗い色が似合わない女性は、グレーの就活スーツを着ることによって女性らしさや素敵なイメージをアピールすることができます。
マスコミや広告業界、アパレルなど個性が重視される業界に就職を希望している女子学生であれば、ベージュなどの明るい色のスーツで個性を表現することもできます。
就活スーツの色はあくまでも目安であって、学生の能力ややる気、スキルを制限するものではないということを頭に入れておけば、自ずとどんな色を選んだらいいかがわかってくるでしょう。
何色かの就職スーツを用意するのも一つのアイディア
就活期間というのはけっこう長く、しかもピーク時には連日面接や会社訪問に通わなければならないことも多いため、就活スーツは1着ではなくて2〜3着用意しておく方が便利です。
ですから、就活スーツは「黒」と頭から決めこまずに黒や濃紺など、いくつかの色で用意しておけば、TPOに合わせて色を変えることができます。
就活スーツには「絶対」というルールはなく、訪問する企業や業種・職種によって要求される着こなしは違ってきますので、臨機応変に対処することが必要でしょう。
時と場合によって着こなしを自由に変えられるセンスも就活においては大切なポイントです。
学生が好む就活スーツの色は黒
大手の就活情報サイトが就活生を対象に行ったアンケートによると、「何色の就活スーツがいいと思うか」という質問に対しては全体の73%が「黒」と答えています。
第2位は紺(25%)で、第3位にはグレー(2%)が挙げられています。
「黒」と回答した学生の理由は「黒なら無難な色だから」「みんなが着ているから黒を選んだ」「黒と紺のスーツを買って業種によって使い分けた」などが主なものですが、面接官からすれば「ダークであれば色は特に気にしない」というのが本音のようです。
黒の就活スーツでおすすめのデザイン
就活スーツといえば、やはり2つボタンのシングルが定番のデザインです。
2つボタンの就活スーツは協調性があり、生真面目な印象を与えますから、どんな企業の説明会や面接に着ていっても問題ありません。
3つボタンのスーツもリクルートスーツとして使えないことはありませんが、やや幼いイメージになってしまうことがあるので注意が必要です。
がっちりした体格で胸幅のある男性にも3つボタンのスーツは向いていません。
シングルの紳士服には2つボタン・3つボタンの他に1つボタンのものもありますが、1つボタンは冠婚葬祭向けのフォーマルなデザインですから、就活では着用しません。
ダブルのスーツも自己主張が強すぎるので、製造業(メーカー)などの堅実な企業を目指している場合は避けなければなりませんが、アパレル業界の面接では逆に個性が評価されることもあります。
女子学生の場合には黒のシングルスーツが最も一般的で、きちんとした印象を与えます。
ボタンの数は1つ〜3つの範囲であれば幾つでもかまいませんが、体型によって似合う似合わないがあるので、何着も試着してみる必要があるでしょう。
1つボタンはウエストがマークされて女性らしいイメージになりますし、3つボタンのスーツは真面目で清潔感のある印象を与えることができます。
黒の就活スーツに合わせたいインナー
黒の就活スーツに合わせるインナーは、男性の場合は白の無地のワイシャツがベストです。
有能なビジネスマンになると薄いブルーやピンクのワイシャツを着こなしていることも多いものですが、学生の間は「無垢」のイメージが強い白で面接官にアピールしたいものです。
ワイシャツの襟はスタンダードなデザインの「レギュラーカラー」が一番のおすすめですが、体格のいい人なら襟が横に広がっている「ワイドカラー」の方がしっくり合います。
シャツを購入する時は店員さんに首の採寸をしてもらって、ジャストサイズを心がけるようにしましょう。
サイズが大き過ぎたり小さ過ぎたりすると襟元がぴしっと決まらず、野暮ったい感じになってしまいます。
女子学生の場合も、黒のスーツには白のブラウスがお決まりの服装です。
襟の形は男性が着るワイシャツとほぼ同じ形のレギュラーカラー、またはスキッパーカラーの2種類があります。
スキッパーカラーというのは首元に第一ボタンがなく、襟が開いていてジャケットの外に出すようになっているブラウスのことで、明るくて親近感のあるイメージを演出することができます。
首元をきっちりとボタンで留める必要がないので、夏場の就活でも襟元が涼しくて助かります。
レギュラーカラーかスキッパーカラーの他に「カットソー」と呼ばれる襟無しのインナーが就活で着用されることもありますが、大企業の最終面接などにはあまり向いていない、略式のインナーであることは覚えておいた方がいいでしょう。
ベンチャー企業などではベージュやサーモンピンクのカットソーなども歓迎されますが、「どの企業にはどのインナーを選ぶか」ということに関しては企業の雰囲気や一般常識を下にして、自分で判断するしかありません。
就活スーツに合わせる靴やバッグも色は黒が基本
就活スーツを着たときはコーディネートするシューズやバッグ、コートなどの色にも気を配らなければなりません。
基本的にはすべて黒が無難ですが、あまりに黒にこだわり過ぎてしまうと陰気になってしまいますから、コートはベージュ系を選ぶといったように、ちょっと息抜きをすることが大事です。
就活シューズはやはり黒が一番無難
面接室では頭の先から足元まで、すべてを面接官にチェックされているわけですから、シューズ選びにはスーツと同じぐらい気を配りたいものです。
就活で履くシューズは何といっても黒が一番です。
素材は本革製が望ましいのですが、雨の日に履くとシミが付いてしまう危険性がありますから、本革製と合成皮革の両方を用意しておくのが理想的です。
男子学生の就活定番シューズは紐付きのストレートチップであれば申し分ありません。
ストレートチップというのは甲の部分に縫い目が真横に入っているデザインのシューズのことで、フォーマル感とやる気を演出するのにぴったりです。
靴底はレザーソール(革靴)だと雨や雪の日にかなり滑るので、必ずラバーソール(ゴム底)のものを選ぶようにします。
ラバーソールはクッション性にも富んでおり、長時間歩き続けても疲れないというメリットがありますが、柔らかい分、かかとの部分がすり減りやすいので、定期的にチェックしてラバーを貼り替えてもらうようにしたいものです。
女子学生の就活シューズは黒のパンプス、しかもヒール高が3〜5cmが決まりです。
これ以外のシューズを履くとカジュアルな感じになってしまうので気をつけましょう。
コートはベージュやグレーで息抜きするのもOK
就活で使用するコートはトレンチかステンカラーコートなどのベーシックなデザインのものがおすすめです。
色は黒でもいいのですが、チャコールグレーや濃紺、ベージュなどを選ぶと就活スーツの黒の印象が少し和らぎ、親しみやすさをアピールすることができます。
女子学生もスーツが黒ならコートはベージュや白などといった明るい色を組み合わせるのがおすすめです。
地味で、遠目では無地に見えるチェックなども許容範囲ですが、ファーの付いているものは避けましょう。
まとめ
大学時代というのは「人生の夏休み」と呼ばれるほど自由な時間ですが、自由なあまりに生活習慣や服装までだらけてしまう傾向があります。
就活がスタートすると人生の夏休みも終わり、毎日就活スーツに身を包んで苦労しなければならないわけですが、女性の場合は日ごろからタイトスカートやパンプスを履き慣れていれば、面接の時に緊張して歩けないといった恥をかくこともありません。
就活スーツでフォーマルな着こなしをするのに慣れておけば、社会人になった時にも戸惑うことがありません。